●1999年1月28日 選挙法改正 国会可決
●選挙日程予定
●写真でみる1999総選挙
●第4代大統領選出まで
●インドネシア政治用語の基礎知識
●1999年1月28日 選挙法改正 国会可決
- 大統領選出に民意を反映するため、 比例代表制で選出される国民協議会議員議席を過半数とした。
- 国民協議会定員を1000から700に削減した。
- 700議員のうち、国会議員が兼任するのは、従来と同じく500。
- 残りの200議員は、地方議会などが選ぶ。
- 国民協議会ならびに国会の、国軍に無条件で与えられる議席を 75から38に半減した。
- 国会議員、国民協議会議員を兼任する残りの462議席を 比例代表制の総選挙で選出する。
- 総選挙に参加できる政党は、従来
の政府公認三党に限られていたが、新法では、
- 与党ゴルカル
- 開発統一党
- インドネシア民主党
に支部がある政党ならば、被選挙権が与えられる。
- 9以上の州
- その下の県の半分以上
インドネシア国民協議会の構成 改正前 新法 比例代表制(国会議員を兼任) 425 462 国軍(国会議員を兼任) 75 38 その他 大統領指名
500地方議会指名など
200合計 1,000 700
なお、スハルト前大統領は、国民協議会1000議員のうち、 総選挙で選ばれる国会兼任議員をのぞく575人を独断で選び、 何度でも再選が可能なしくみをつくっていた。
●選挙日程予定
1999年4月、KPU(総選挙委員会)によって、 総選挙関連の政治日程が次の通り決定された。
(後、さまざまな変更が加えられた)
4/3〜4/4 国会議員・地方議会議員の各選挙区議席配分数の確定 4/4〜5/4 選挙人登録 4/5〜4/27 国会議員・地方議会議員候補者の決定 5/19〜6/4 総選挙キャンペーン 6/5〜6/6 静粛期間 6/7 投票日 6/7〜6/21 集計期間 6/28〜7/8 投票結果の確定 7/12〜7/21 当選者の確定及び通知 7/26 県レベル地方議会議員宣誓 8/19 各州地方議会議員宣誓 10/1 国会・国民協議会議員宣誓
●1999年6月総選挙結果(9月1日正式確定)
※定数700のうち、東ティモール選出予定の5議席が空席
インドネシア国民協議会の勢力分布 政党名 議席数 党首など有力者 闘争民主党 185 メガワティ党首 ゴルカル党 182 アクバル・タンジュン総裁(国会議長)
ハビビ第3代大統領イ
ス
ラ
ム
系開発統一党 198 70 国民覚醒党 57 アブドゥルラフマン・ワヒド(第4代大統領) 改革会派
(国民信託党・正義党)49 アミン・ライス国民信託党党首
(国民協議会議長)月星党 13 ユスリル党首 イスラム緒派 9 民族主義系緒派 19 社会団体代表 73 国軍 38 ウィラント司令官
- 1999年10月1日
- 国民協議会開会
- 1999年10月4日
- 国民協議会議長に、国民信託党アミン・ライス党首選出
- 1999年10月6日
- 国会議長に、ゴルカル党アクバル・タンジュン総裁選出
●ハビビ大統領の不出馬
- 1999年10月20日未明、 国民協議会は、投票の結果、 反対多数(355)によりハビビ大統領総括演説の承認を拒否。
- 大統領が、 東ティモール住民投票を国民協議会と十分議論しないまま決めたことで、 多くの死者をだす混乱を招いた。
- アチェ特別州などで、 独立をもとめる住民に対して、 国軍による人権弾圧がおこなわれた。
- バリ銀行から大統領周辺に多額の資金が流出したとされるスキャンダルなど 一連の疑惑に明確な説明ができなかった。
- ハビビ大統領、大統領選への出馬辞退。
「総括演説を拒否されたことで、国民から信頼されていないことがわかった。 私は民主主義を尊重しており、大統領選に立候補するとおかしなことになる」- ゴルカル党アクバル・タンジュン総裁を 代りの候補者に擁立する動きもあったが、 撤回された。
●第4代大統領にワヒド氏選出
- 1999年10月20日、 その後急遽立候補した月星党ユスリル党首が結局立候補をとりけしたため、 投票は、ワヒド氏対メガワティ氏の一騎打ちとなった。
- ワヒド氏373票、メガワティ氏313票で、 国民覚醒党を創設したアブドゥルラフマン・ワヒド氏が、 第4代大統領に選ばれた。
- スハルト時代からの支配層や知識人、イスラム教の指導者層が、 ハビビ氏の指導力の弱さに見切りをつけ、 キリスト教徒に寛容なメガワティ氏にも拒否反応をしめした 消去法の結果、とのみかたもある。
- メガワティ氏「国の統一を守るため、結果の尊重を全国民によびかける」
- メガワティ支持者のよるデモ、暴動が各地で発生したが、 翌21日に、メガワティ氏が副大統領にえらばれ、事態は沈静化した。
●インドネシア政治用語の基礎知識
有力政党:
- 国民協議会:
- 大統領選出や憲法改正の機能をもつ国権の最高機関。
定員700人。
- 国会:
- 国民協議会の決定にそって、立法や予算審議にあたる。
国会議員は国民協議会議員を兼ねる。
定員500人。
- 総選挙:
- 国会議員(定員500)のうち、 国軍議席(新法では38)を除く 462議席(新法)を選ぶ。
州単位(27州)の比例代表制。
1999年6月7日に予定されている。
有権者は、17才以上のインドネシア国民。 結婚している女性は16才でも選挙権をもつ。
- 大統領選挙:
- 1999年10月20日に、 インドネシア共和国国権の最高機関である国民協議会において行なわれた。
アブドゥルラフマン・ワヒド第4代大統領が選出され、 翌日、闘争民主党のメガワティ女史が副大統領に選出された。
政党名 略称 特徴 闘争民主党 PDI-P 1999年6月総選挙の結果、国民協議会議員185人の第一党となった
メガワティ女史(副大統領)がひきいる
メガワティ派民主党ともよばれる
バリ島では圧倒的な人気
シンボルカラーは赤色ゴルカル党 (なし) 元与党
1999年6月総選挙の結果、闘争民主党に次ぐ第二党となった
シンボルカラーは黄色開発統一党 PPP スハルト時代、公認野党だった
イスラム教を行動指針とすることに変更国民覚醒党 PKB アブドゥルラフマン・ワヒド第4代大統領が創設した
最大のイスラム団体ナフダトゥル・ウタマ(NU)が基盤
多宗教を容認国民信託党 PAN 国民協議会議長となったアミン・ライス氏がひきいる
イスラム団体が基盤
多宗教を容認
知識人の支持を集めている正義党
(公正党)PK イスラムを基本理念にもつ
多宗教を容認する建国5原則(パンチャシラ)を否定月星党 PBB イスラム近代主義