一度ミー・ゴレンを食べた以外はずっとナシ・ゴレンだったが、周囲でベーコンエッグの載ったトーストを旨そうに食べているのを数回見かけて食べてみたくなり、ひとりだけトーストを頼んでみた。
出てきたのはほんとにトーストだけで、卵の影も形もない。
どうやら回りで食べていたのはツアーにセットの朝食メニューにはないらしい。残念。
連れがスカワティへ買い物へ行きたいと言う。
出発の前に軍資金を用意する。
スカワティは、売っているものこそ違うが、アメ横か秋葉原の感じに似ている。
店がたくさん集まっており、とりわけ大きな建物の中には、ラジオデパートの中のように小さなテナントの店がびっしりと詰まっている。
外国人観光客はほとんどいない。
プリミティブデザインのTシャツを買うべく価格交渉をする。
ここでは日本語はほとんど通じない。
通じるのは「いくら?」「千円」「安い」等のいくつかの単語だけだ。
後は英語しかない。
英語も、こちらもしゃべれないがあちらもあまりわからないから大変だ。
それでも手振りを交えて交渉する。
一声目は15,000RP。最初から低めだ。
これを2枚で12,000RPと受けて、結局2枚13,500RPで交渉成立。
クタでは1枚10,000RPで買ったのだが。
ウブドゥで最初30,000RPと言われたバティックが、ここでは一声目で20,000RPである。
価格が知りたかっただけなので、いらないと言ったのに15,000RPにするという。
高いから買わないのではないのだが勝手にディスコントする。
この調子で行くと、12,000RPも射程距離。沈黙は金なり。
途中で、皆ばらばらにはぐれてしまった。
あちこち探し回ってようやく見つける。
それぞれいろいろ買い物をしたが、まだ土産のTシャツが残っている。
まとめ買いしたほうが安くなるので、Tシャツは全員でまとめて交渉することにしたのだ。
先程、プリミティブデザインのTシャツを買った店が感じが良かったのでそこへ戻る。
さっきの店員はいなかったが大量に買うとあって別の店員がこちらの要望のサイズとデザインを一生懸命探してくれる。
希望の柄とサイズと枚数が概ね揃ったので価格交渉に入る。
価格交渉はベテランに任せる。
結局1枚5,500RPになった。
ちょっと一息入れて、飲み物を買う。Hi-Cの瓶入り紅茶があってチャレンジしてみる。
ソッスロの方がうまい。
あといくつか土産物を調達して、車へと戻り始める。
途中の土産物屋で釣りをする猫の置き物を調達する。
買い物を終えてサヌールへ向かう。
一昨日食事をした食堂ワルン・ムスリムへ行く。
同様の名前をあちこちで見かけるのでマデに意味を尋ねたところ、イスラム教徒向けの屋台(食堂)という意味だという。
イスラム教の禁忌に触れる食材を使っていないということらしい。
各自ナシ・ゴレンやミーゴレンとソッスロをたのみ、他にチャプチャイをとる。
ここのナシ・ゴレンは結構気に入った。
食後はマデと待ち合わ時間を決めて海へ。
ビーチの木陰にござを敷いてくつろごうと思ったらまたもやグラスボート等、マリンアクティビティの勧誘が現れる。
クタに滞在していて明日はサヌールに来ないこと、グラスボート等は乗る気の無いことを言ってわかってもらったが、さらにそこに自称ジェイジェイという人物が現れ、話が続く。
彼は日本に何度も行っていて日本語もうまいし日本の事情にも通じている。
結局話し込んでしまってサヌールのビーチでの時間が終わった。
車に戻り、連れの希望で「サリ・ブミ」という食器の店に寄って、ホテルへ帰った。
買い物ばかりというのは嫌だが、スカワティには行ってみたい。
別行動をするかどうするか考え、スカワティで買い物をした後、サヌールへ寄るということで4人一緒に行動することで落ち着いた。
例の両替所に行き、まず自分が1万円の両替を頼む。
束になった10,000RPを数えて安心し、端数の札をもらった。
妻も同じように1万円の両替を頼み、同様に10枚づつ束になった札を数え終わって端数を受け取った。
と、そのとき金額がおかしいことに気が付いた。
受け取ったのは全部で201,100RPである。
レートは\1=21.10RPだから211,000RPのはずである。
やられた。一桁ごまかされた。束の方に気を取られうっかりしてしまったようだ。
100RP札を返して10,000RP札を出させる。
あぁ、この両替所もだめだ。
う〜ん、やっぱりウブドゥのあの店はボッタクリであった。
この店はかわいい女の子がきりもりしている。
スカワティでは珍しく彼女はかなり日本語が話せる。
値段を聞くと最初から10,000RPに。
その値段だったらクタで交渉の末引き出せる価格であり、即、買いの価格なのだが、最初から10,000RPと言われると実際はその半分じゃないのかと思う感覚がそのころには身体にすっかり染み付いていたからつい値切ってしまった。
しかし、値引はしないという。
価格に不満はなかったので二つ買った。
この娘は不当な金額をふっかけないが、妥当な金額でしっかりと線を引く。
なかなかしっかりとした商売をしている。